群山で小旅行を終え、いよいよソウルまでの乗務が始まる！

点検を終え、準備万端の機関車7139は長項駅で出発待機。

14：15　長項駅５番線

14：55分の出発まで350列車は待機。


隣のホームには新型貨車が連なって待機していた。 

先輩機関士のオヤブンさんも乗り込み、列車の出発を待つ。まず、長項からはオヤブンさんがハンドルを握る。

機関車のディテール。中段は汽笛ペダルとひじ当て 

14：28　対向列車到着　

ボンゴに牽かれたソウルからの無窮花号が到着。降車乗客が一段落後の14:40分頃に我が350列車の改札が開始となる。

14：55　長項発車！

待つこと1時間、待ちに待った発車の合図。短い汽笛を駅に残し、オヤブンさんはノッチを入れる。

無窮花号350列車の時刻表。ピンクの蛍光ペンで塗られたところが停車駅。

列車は駅を出るとすぐに田園風景になります。




（左上3段目）　三山駅。ホームが低いのでDLの高運転台から見ると見逃してしまいそう。

15：03　舒川駅到着

列車は定刻より30秒早着で舒川駅に到着。

（中上）　ソウルからの無窮花341列車と交換し、定時発車。

（右上）　長項線路線改良（直線化）のための高架橋も工事中。将来（2006年）は長項〜群山が鉄道で連結される。

（左下）　奇洞〜板橋間は湖畔を走る区間もあります。350列車は15：12頃に通過。

湖畔を走る（WMV形式.240Kb） 韓国でありながら、まるで北米のような光景です！

（右下）　定刻15：15に板橋到着。


 

板橋を出発した列車は長閑な田園地帯をひた走ります。ギユンさんは助手席で待機。「前方よ〜し！」

15：25　艮峙通過

左から韓国電力の専用線が見えてきたら艮峙駅です。専用線と合流しながら90Km/hで通過！構内は多数の貨車が留置されています。

15：29　熊川到着

15：38　藍浦駅　運転停車

無線指示により貨物線の藍浦線の分岐駅、藍浦に到着。本来は通過駅ですが、対向の343列車が遅れているため、行き違いの運転停車をします。

（左上）　玉馬からの藍浦線と合流。右上の線路です（ちょっと分かりづらい…）。

（中上）　藍浦駅構内。一番右が藍浦線です。

（下段）　本来待っているはずの対向列車、ソウルからの無窮花号343列車が5分遅れで通過。

15：48　大川駅到着

結局6分遅れで大川駅に到着。長項線の主要駅だけあって膨大な乗客の数です。


大川駅のみならずですが、夏休みは避暑、海水浴と長項線沿線は多くの学生で賑わう。


結局客扱いに３分掛かり、８分遅れの15：51分、大川駅を発車した。

16：02　青所駅到着

都会の大川を抜けた列車は長閑な田園地帯に戻り、80〜90Km/hで快走する。

（中央）　セマウル号と交換予定であった周浦駅では先行の貨物列車を追い抜く

（下段）　遅れを１分回復、７分遅れで青所駅に到着。10分遅れのセマウル号103列車を待って、こちらは12分遅れで発車。

16：15　廣川駅到着

列車は12分遅れのままで廣川に到着。客車列車でありながら停車時間は２０秒！乗務員が一丸となって定時回復へと最大限に努力する。

（中段）新城駅にはセメント貨車の側線があります。列車は通過線を85Km/hで通過！

（下段）オヤブンさんの確実なハンドル捌きで列車は洪城に到着。遅れを１分取り戻し11分遅れとなる。1分の遅れを取り戻すことが、いかに大変なのか伝わってきます。

15：27　洪城駅出発

（上段）　列車は11分遅れで洪城駅を出発。洪城駅は専用入換機を擁するセメント扱い駅でもあります。

（上2段目右）　華陽駅の長項側にも貨物の側線があります。

（上3段目中・右）　コンテナ扱いもある挿橋駅に到着。遅れを2分縮めて遅れは10分

（下段）　オヤブンの職人技でさらに遅れを1分縮めて9分遅れで禮山駅に到着

16：52　新禮院駅　〜　機関士交代

９分遅れの新禮院で機関士交代。ここからはギユンさんがハンドルを握る。長項から２時間、107.8Kmを乗務してきたオヤブンさんは機関助手席に戻り、信号点呼と前方注視を行います。

オヤブンさん、安全運転お疲れ様でした！

ギユンさんの運転で列車はひたすらソウルを目指す。


（中段左）　道高温泉駅を通過!

17：01　仙掌駅到着

列車は無人駅の仙掌駅に到着。車掌総出で客扱いを行い、９分遅れで発車！

こんなローカル駅に無窮花号が停車するのには大変オドロキです。

列車は軽快に走り抜け、鶴城（左上）、新昌（右下）と通過して行く。

遠くに高層マンションが見えて来た。もうすぐ温陽温泉だ！

17：13　温陽温泉到着！

８分遅れで温陽温泉駅に到着。ソウルからの無窮花369列車、ボンゴがリミットを連ねて待っていてくれた。

温陽温泉駅は電鉄化工事も進んでおり立派な駅舎が建設中です。

列車は天安目指してひた走る

速度も90Km/h、長項線の最高速度である。

「危ない!」

「危ない!前方に線路を跨ぐ老婆が！」汽笛を連打してとっさの非常ブレーキ。間一髪ハルモニ（おばあさん）は線路を渡りきり事故は免れました。一度非常ブレーキを働かせると空気圧が復帰するまで、およそ30秒〜１分。その間に指令と車掌に事情を説明。とにかく無事だった事に運転室一同胸を撫で下ろす…

気を取り直して出発進行！流石のギユンさんも驚いた様子でしたが、ここは年配者を大事にする儒教の国、「全く危ないおばあさんだ。でも無事で良かった」と苦笑しました。

17：22　KTX高速新線をくぐる

前方に高架橋が見えて来た。KTXの高速新線だ！折もよく建設工事に従事している特大型DLが横切ってゆく。更新を受けてこうして客車を引くこの7139号、国鉄線を退き高速鉄道建設で第二の人生を送るDLと運命の違いを感じる瞬間だった…

長項線も温陽温泉複線電化（新線移設）開業時はKTX新天安駅が開業、KTX駅と天安市内を電車が結ぶようになる。

（下画像）　青い横断幕の文字は「21世紀は高速鉄道と共に！」

周囲に人家が増えてくると天安も近い。こうして市内の鉄橋を渡っていると日本のローカル線が幹線との接続駅（終点）に近付く瞬間に渡る鉄橋と重なって見える…JNRのキハなら車内放送のオルゴールが聞こえてきそうなシーンだ…

17：27　天安到着

列車は7分遅れで天安到着。この先平澤で追い抜かれる予定のソウル行きセマウル号22列車が入線していた。長項線はここが終点。これより京釜線でソウルへと向かう。

無線指示によりセマウル22列車を先行