汽車旅の醍醐味の1つに食堂車での食事があります。セマウル号の一部編成にも食堂車が連結されており、流れる車窓を横目に暖かい食事を取る事が出来ます。2004年4月からは運営業者が代わり、メニューが一新しました。ここでは旧メニューと新メニューの紹介を中心に、食堂車の醍醐味を紹介します。

PLAZA EXPRESS

運営：ソウルプラザホテル
営業時期：1983.6〜2004.3

1983年から20年以上に渡りセマウル号の厨房を預かってきたのが、ソウルの高級ホテルであるソウルプラザホテルです。

食堂車には｢PLAZA　EXPRESS｣と愛称が付けられ、洋食、韓国式食事、飲み物と様々なメニューがありました。特に韓食メニューは外国人旅行者にとって珍しい存在で、韓国式の食事に舌打ちながら、流れる韓国の車窓を堪能できました。

現在は営業を終了しました

プラザエキスプレスは看板特急セマウル号にふさわしい高級感を出していました。KTXの開業を機に営業から撤退してしまいましたが、セマウル号の魅力を語る上では忘れてはいけない存在です。

懐かしのPLAZA EXPRESSメニュー

 PLAZA EXPRESSでは、左記メニューの他にステーキやハンバーグ定食などの洋食メニューもありました。

コリゴムタン定食

牛の尻尾を長時間煮込んだ韓国式のテールスープ。深い白色のスープは味わいが凝縮して非常に美味でした。スープには塩味が付いていないので、別に盛られた塩とコチュジャン(辛味噌)でお好みに味を付けて食べます。

カルビチム弁当

弁当と言っても駅弁ではなく、お膳に入ったお弁当を食堂車で食べるスタイルです。カルビチムとは牛肉と野菜を煮込んだ料理です。肉じゃがかすき焼きのような味のカルビチムと様々なおかずで、辛いものの苦手な人も美味しく味わう事が出来ました。

カルビチム定食

コチラはカルビチムの定食版です。お盆にはカルビチムにご飯、かつお味のスープとカットゥギ(日本で言うカクテキ)そしてデザートにカットしたフルーツが並びます。韓国式に金属のお箸とスプーンで食べます。

Free Space
自由空間

運営：(株)ランチベル
営業時期：2004.4〜現在

KTXの開業でセマウル号の大幅な減便を受け、撤退したソウルプラザホテルに代わり、業務を引き継いだのが(株)ランチベルです。食堂車は｢自由空間(Free Space)｣と名前を代え、旅行にビジネスに安く新しいメニューで楽しい食事時間を提供しています。

ソウルプラザホテルから食堂車業務を引き継いだ(株)ランチベルの｢自由空間｣は｢見て･食べて楽しむ｣を目指して旅の良い思い出になる食堂車づくりをしています。

流れる車窓を見ながら暖かい食事を取る〜日本では高級寝台列車でしか叶うことの出来なくなった食堂車の旅がセマウル号では日中の移動で体感できます。

主なメニュー紹介(2004.6現在です)

 その他のメニュー

ハンバーグステーキ
Hamburger steak
ｗ10,000(約1,000円)




グランデリ･カレーライス
Grandeli Curry Rice
ｗ7,000(約700円)




 かつおうどん
Katsuo with fried shrimp
ｗ5,000(約500円)

※この他各種飲み物やおつまみがあります。

 ランチベル弁当
Lunchbell dosirak

ｗ8,000(約800円)

一般的な韓国式の定食スタイルのお弁当です(食堂車専用)。盛り付けられた様々な韓国式のおかずとともにコチュジャンと韓国のり、日本より気持ちピリ辛な味噌汁(テンジャンチゲ)が付いています。

 全州ビビンバ
Cheonju Bibimbap

ｗ8,000(約800円)

日本でもすっかりおなじみのビビンバ(ご飯の上に和え物やキムチ類を乗せたどんぶり)です。ビビンバの本場、全州からその名前を採っています。石焼きではありませんがアツアツの状態で出てきます。また、コチュジャン(辛味噌)が別盛りですので、お好みに応じて辛さを調節でき、辛いものが苦手な方も安心して召し上がれます。