TECのディテール

ソウルから南へ100km少々。韓国有数の温泉街「温陽温泉」への観光列車「ヌリロ号」として2009年初夏にデビューの4両編成の特急電車。KORAILとしてはEEC（9900号）以来の電車特急として、そして今後のKORAILの未来を担う電車として大きな注目を浴びています。

TECはJRの多くの特急電車、台鐵のタロコ号やDR3000自強号、日本や台湾高鐵・イギリスの高速車両を手がけた日立製作所が「A-TRAIN」の技術を用いて日本の山口県下松市・笠戸事業所で製造。日立製作所と技術提携を結ぶ韓国SLS重工で最終組み立てが行われました。電車としては初のシングルアームパンタグラフ、ワンハンドルマスコン、高低対応の乗降扉、電気連結器装備、そして新しい台車と多くの新機軸は2009年頃から登場している他の電車にも大きな影響を与えつつあります。

TECの特徴　高・低両ホーム対応のドア

TECは電鉄線の高いホームと列車線の低いホームの両方に対応できるために独自のステップ機構を設け、低ホーム時にはステップを出して対応するようになっています(左上下)。運転機器も長距離線用のATPと電鉄線に対応したTGISを装備し、将来的には電鉄線系統・列車線系統双方での運用につける様に製造されています。

2009.2　京釜本線にて試験運転開始

大佛線での形式認証、湖南線での試運転を終え、2009年2月からは京釜本線で試運転が行われています。複々線の路線を颯爽と走る新型電車。乗れる日が楽しみです☆

ソウル駅に佇むTEC

ソウル駅の長距離ホームでしばし休息。左下画像のLED方向幕は「セマウル1001　ソウル駅」と試験表示。

安山線でも試運転

本線のみならず、地下鉄に直結する電鉄線(通勤路線)である安山線でも試運転が行われました。

2009.4　重連試運転開始

納入された各編成の試運転が一段落し、2009年4月からは2編成併結による試運転が開始しています。

8両編成で京釜線を試運転。さすがに編成が長くなると壮観です♪